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死海のクリスマス

a0085574_325588.jpgキリスト教徒ではないが、クリスマスの雰囲気は好きだ。いや、恐らく、年末の雰囲気が好きなのだ。家族、親族、親しい人達が集まって、暖かい時間を過ごす、そんな時間を前に人々がいそいそと家路に着く。帰る場所があって、誰かが待っている、というのはいい。

昨年のクリスマスはナイル川の上で過ごしたが、今年はヨルダンの死海。昨年に引き続き、比較的暖かい地で迎えるクリスマスはとてもバカンスチックだ。シリアから車を運転して国境を超えてのヨルダン入り。そこからドライブすること更に数時間。ヨルダン時代によく行ったはずの死海なのに、この日は雨のために霧が濃く、なんと道に迷ってしまった。信じられない!

a0085574_334268.jpgこの日、同じホテルにイスラエル時代の友人と遭遇し、ホテルのバーでベリー・ダンスを楽しみながら夜中まで話しこむこと数時間。4年ぶりのキャッチ・アップ。テルアビブに住んでいた時、エルサレムまで車を飛ばして、彼の本屋さんを訪れたのがついこの間のことのような、もう、随分昔のようなことのような気がする。右の写真の向こう側に見えるのは、西岸。

部屋に戻ってBBCをつけたら、イスラエルのガザ空爆のニュースが報道されていた。逃げ惑う人々、負傷して病院に担ぎこまれる人々、イスラエル首脳陣の記者会見の映像がグルグルと繰り替えし放映される。この時点で死者225名、負傷者数百名。オルマート首相、リブニ外相、バラク国防相の聞きなれたいつもどおりの発言が耳の中を通り過ぎていった。これから、イスラエルが地上軍をガザに送り込む可能性もある。もしそうなったら、いったいどれほどの人々が命を落とし、どれほどの人々が愛する人々を失った悲しみに打ちひしがれるのだろうか。
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by ahirunoko724 | 2008-12-25 22:00 |

日常生活の中にある歴史

a0085574_1105897.jpg夕方、同僚とコスタにお茶をしに行く途中、遺跡を照らす夕焼けがとてもきれいだったので、ちょっと寄り道した。

ティールにある数少ない観光名所、ローマ時代の遺跡。海に向かって続く列柱がきれいに残っている。この街には日常生活の中に歴史が溢れている。例えば、私がアパートを借りているキリスト教地区の建物の中には数百年前の建物も普通に残っていて、内外装を改築して今も人が住んでいる。私の大好きなイギリス人の絵描きDavid Robertが描いたティールの街とあまり変わっていない部分も多い。

中東にはローマ時代の遺跡が数多く残っているが、日常生活の中でこんな風に数千年の歴史を感じられる街に住めるのはとてもラッキーだと思う。都市生活に慣れている私には不便な面も多いが(笑)。
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by ahirunoko724 | 2008-12-20 16:02 | ヒビノデキゴト(レバノン編)

Grand Duchess Charlotte

a0085574_57057.jpg先日、とても素敵な女性を発見した。ルクセンブルグのシャーロット大公女(Grand Duchess Charlotte:1919-1964)。1919年から64年までの45年間を大公女として国のために尽くした、真珠のアクセサリーが似合うとてもエレガントな女性。このぶらさがるタイプのパールのピアスとネックレスは彼女のトレードマーク。

第二次世界大戦中、ルクセンブルグはナチス・ドイツに占領され、その際に大公女と家族、主要閣僚は米国へ亡命。国内からは「国家の一大事に大公女が国民を置いて亡命するとは何事ぞ」との批判もあがっていたが、彼女は米国でドイツ軍に占領されているルクセンブルグの現状を政界、財界、社交界に広く伝えることに専念した。その後、英国に単身で渡り、ドイツ占領下にあるルクセンブルグの国民に向けてロンドンからBBCのラジオを通して自国民に対してメッセージを送り続けることになる。

占領下において、ドイツ語を話すことを強要される中、電波の悪いラジオ放送から流れてくるとぎれとぎれの大公女の声は、ルクセンブルグ国民の心の支えになったという。最終的には米国の支援によりルクセンブルグはドイツ軍の占領から解放され、大公女も帰国し国民から大いに歓迎された。

大公女として、妻として、母として、強くしなやかに生きた女性の肉声はとても柔らかく、優しく囁くような声でありながら信念の感じられる凛とした声だった。そういえば、緒方貞子さんの声もソフトウィスパリング系の声でゆったり口調だったな。
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by ahirunoko724 | 2008-12-19 23:59 | お手本

素敵なサプライズ

a0085574_3495759.jpgお仕事の関係で、ベイルートのホテルにお泊りした。朝起きて窓を開けると普段のティールとは全く違う景色が見える。都会だなぁ、ベイルートは。ベイルートの町を見ながら、昨日の素敵なサプライズを思い出して顔が緩んだ。

昨日の夜のこと、待ち合わせの時間になったので、ロビーに下りようとしてエレベーターに乗り込んだ。ドアが開いたら、どこかで見たことのある顔の女性がこちらに向かって歩いてきた。エレベータの中にいる私を見てびっくりしている。恐らく、私も同じような顔をしていたのだろう。二人して一瞬固まったが、次の瞬間には笑いながら抱き合っていた。「何でここにいるのー?」と。ここに私の大ボス登場、キャーキャー言いながら抱き合っている私達を見てちょっとびっくりした様子だったけど、いつもの調子でNZ訛りで軍人さん独特の喋り口調でご挨拶。

たまたま泊まったベイルートのホテルで、ヨルダン時代のカウンター・パートに再会。普段は、他のホテルを利用しているが、今日に限って、どこもハイシーズンで満室だったので、このホテルに泊まっている。彼女達はベイルートでの会議に参加するために同じホテルに泊まっていた。しかも、私と続き番号の部屋に!信じられない!悪いことはできませんね(笑:いえ、しませんけどね)。

公式行事に参加した後、午後10時半からガールズ・トークの開始。あまいアラブのお菓子とトルキッシュ・コーヒーで。4年近く一緒にプロジェクトを回してきた彼女達と半年ちょっとの間のキャッチ・アップ。まるで、ヨルダンの事務所で話しているみたいだ。待ち合わせをした訳ではないのに、彼女達がベイルートに来ることを知っていた訳ではないのに、エレベーターの前で偶然出くわした。少しでも時間がずれていたら、同じホテルに泊まっていることすら気づかなかったに違いない。

なんて素敵なサプライズなんだろう。もしかして、サンタクロースからの贈り物?
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by ahirunoko724 | 2008-12-18 22:32 | ヒビノデキゴト(レバノン編)

ダマスカスの週末

a0085574_5124788.jpg週末を利用して、ダマスカスを訪れた。ティールから北上し、ベイルートの東辺りに差し掛かったあたりで、きれいな夕焼けに目を奪われた。この辺りは、渓谷になっていて、山の斜面に住宅が張り付くようにして建っていた。車の中にいても、外気がなんとなく下がっているのが感じられた。ドライバーさん曰く、レバノン北部の冬は厳しいのだ、と。車に揺られながら、その昔、アラビア語講読の授業で読んだ読み物の中に、レバノン北部の冬の様子について述べられた箇所があったのを何となく思い出した。

5ヶ月振りのダマスカス。目的地に到着して、車から降りると、フワーッとダマスカスの香りがした。空を見上げるときれいな満月。今週末は一年で一番、月が地球に近づく日らしい。世界の中に「懐かしい」と感じられる場所が増えていくのは、自分の人生の積み重ねが感じられてうれしいな、と思う。人生が広がってきたのだな、という感覚と、深まってきたのだな、という感覚。そうして、少しずつではあるけども、根を張りつつあるな、という感覚。そういえば、一年前にもダマスカスで満月を見上げた記憶がある。

今回、レバノンからシリア入りしたのだが、ヨルダンからのシリア入りよりも、もっと簡単だった。東京のシリア大使館で6ヶ月間有効のマルチプル・ビザを取得してきたのだ。なので、ヨルダンの時みたいに、シリアに行く度ごとにビザを取得する必要がない。と言っても、レバノンにはシリア大使館はなく、国境でビザ取得が可能とのこと。レバノンへの再入国に際しては、自分は車に乗ったままで、ドライバーさんがパスポートを持ってイミグレでの手続きを行ってくれた。大丈夫なんでしょうか(笑)?今回、シリアからレバノンに炊飯器を持ち込んだのですが、まったくチェックされず。あんなに怪しげな形をしているのに......。まぁ、いっか。おいしいご飯がスイッチ一つ押すだけで食べられるようになったのだから。
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by ahirunoko724 | 2008-12-14 04:45 | ヒビノデキゴト(シリア編)

蒼天の龍神

南レバノンに駐留するUNIFIL(United Nations Interim Force in Lebanon)の中国部隊のメダル・パレードなるものに出席した。この組織は、イスラエルとレバノン(ヒズボラ)の停戦を監視するための国連軍であり、20カ国以上の国の部隊がこれに参加している。アジアからの参加国も多い。これらの部隊は、停戦監視のためのパトロール、医療支援などの地域住民への支援活動、文化交流事業、地雷除去、地域の人材育成といった活動を行っている。

a0085574_5362421.jpgメダル・パレードでは、UNIFILの総司令官から、普段、平和維持業務に携わっている部隊員に平和への貢献の証としてメダルが授与される。当地には20カ国以上の部隊が駐留しているが、どの部隊でもこのメダル・パレードが行われるそうだ。そのセレモニーの内容は部隊によって様々で、中国部隊のように、行進、スピーチ、メダル授与式、中国の伝統的な武術、舞踊、太極拳など文化の紹介の後に食事まで振舞われるフルコースもあれば、ベルギーの部隊のように、メダル授与式の後に、「じゃっ、ベルギー・ビールで乾杯!」というパターンもあるとのこと。あぁ、まさに、お国柄(笑)。


ちなみに、ゴラン高原に駐留している日本部隊は、年に2回ほど、文化紹介のイベントを設けていて、櫓を組んでの盆踊り大会に、それを取り囲むように出店が並び、まさに「子供の頃の縁日の様子」が再現される。イスラエルに滞在中に何度か訪れたが、自衛隊の方々の団結力と暖かさと人を喜ばせようとする意気込みに、心がほくっとしたのを今でも覚えている。

a0085574_5382382.jpgこの日は快晴で、誇らしげにUNIFIL総司令官からメダルを受け取る中国のピース・キーパーさん達が印象的だった。中国部隊は、南レバノンにおいて、地雷除去(クラスター爆弾の除去も含む)、医療支援、文化交流、道路整備等を行っている。また、女性隊員が多かったことにも驚かされた。とても素敵な女性達で、南レバノンで彼女達の笑顔に癒される人はきっと多いはず。

そしてこの日、何よりも素晴らしかったのは、龍神の舞。中国の音楽に合わせて、2頭のカラフルな大きな龍神が青空の下、先導の赤いボールを追ってダイナミックに踊ってくれた。龍神は優雅に舞っているように見えるが、龍を支えて走る隊員さん達の運動量は相当なものだと思われる。久々に触れたアジアの空気にふれて自分の根っこを再度実感。
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by ahirunoko724 | 2008-12-11 22:32 | ヒビノデキゴト(レバノン編)

Kおじさんからのメッセージ(3)

”Every problem has a solution, the problem is finding the right solution"

a0085574_3414569.jpgTrust
Evaluate all situations first
Always listen
Management at all levels
Work together
Observe cultural sensitivities
Respect each other
Keep an open mind

Uncle K

当地は先週土曜日からイスラム教の祝日(Ead-Al-Adha)のための3連休。ヨルダンやシリアでは今週一杯お休みとなるが、ここレバノンではどの機関も最大で3連休。

事務所の同僚の弟さんの結婚式に参加し(これはまた後ほど)、お留守番組でおいしいシーフードを食し、海岸沿いを散歩してコスタでコーヒーを飲みながらおしゃべり。と、なんだかんだであっと言う間に3連休終了。済ませてしまいたかったことがいくつかあったけど、締め切りまで少し時間があるし、それ以上に有意義な時間を過ごせたので、明日から年末まで集中してお仕事するだけの英気を養えたのでいいとしましょう。

Kおじさんとコスタで話し込むこと数時間、「正しい大人」のあり方を彼の中に見出した。良い上司というのは優れたマネージャーでもあり、同時に後進の者達を育てる教育者でもある。素敵な人生の先輩がすぐ傍にいて、自分のことを気にかけてくれる、というのはとてもありがたいことだな、と思っている。同時に、偶然繋がったスカイプでも、とても暖かいメッセージを人生の先輩から受け取った。そうして、友人からも。

今日のメッセージは私が着任してからすぐの頃にホワイト・ボードに書いてあったもの。メモを取りそびれてしまっていたので、お願いしてもう一度教えてもらった。しかも、バラのお花付きで(笑)。人はもしかしたら一人で生きていけるのかもしれないけど、私はそれを望まない。仕事においても、人生においても、チームでいろんなことに取り組んでみたい。そのための大事な心構え。
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by ahirunoko724 | 2008-12-08 23:37 | 心構え

Kおじさんからのメッセージ(2)

”Experience is the name everyone gives to their mistakes”

Oscar WILDE

欲しいものがあれば手を伸ばしてみる。もし届かなかったら、何で届かなかったのかを考えればいい。そうして、ジャンプするなり、どこかから踏み台を借りてくるなりすればいい。

「失敗してみないと、失敗の仕方すら知らないままで終わってしまう。大抵の場合はね、本当に本当に取り返しがつかない事態に陥ることなんて滅多にないもんだよ。」と、事務所の台所でコーヒーを入れながら話してくれた。
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by ahirunoko724 | 2008-12-05 22:21 | 心構え

平和な光景(その2)

a0085574_2143181.jpg本日12月3日、ノルウェーのオスロにてクラスター弾に関する条約署名が行われました。米、露、中国、イスラエル、といった国々は参加していませんが。ここ、南レバノンには、2006年にイスラエルが投下したクラスター爆弾の不発弾が今も存在し、これにより死傷した民間人は200名以上になります。

そんな日に見かけたこんな光景。そこ、最近のお気に入りの場所だよね?あったかいんだろうけど、昔はその中に爆弾がたくさん入ってたんだよ。
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by ahirunoko724 | 2008-12-03 19:52 | ヒビノデキゴト(レバノン編)